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不動産売買取引で顧客満足度をアップさせる手法とは?
こんにちは。「レリーズ」編集部です。
2020年代以降の日本は、さらなる人口減少により、さまざまな市場で「規模の縮小」「労働力の減少」が取り沙汰されています。
それは不動産業界においても同様で、今まさにこれまでの商習慣を見直す必要性が高まっていることでしょう。
その上で重要なキーワードの1つが「顧客満足度」です。今回は、この顧客満足度について、不動産ビジネスの観点で概要や重要性を解説します。
自社の今後に役立つ知見を得たいとお考えの方は、ぜひお役立てください。
顧客満足度とは
顧客満足度は「CS( Customer Satisfaction)」とも呼ばれ、顧客が企業にどれほど満足しているかを示す指標です。
この数値は「企業が提供する物件の魅力やサービスが顧客の期待を上回った場合」に高まるといわれています。つまり、顧客満足度は顧客の期待値をどれだけ満たしているかを示す指標であるということ。
顧客満足度を評価するための手法としては、以下の3つが一般的です。
- アンケート調査
- クレーム記録
- SNSや口コミ情報
顧客満足度と顧客ロイヤルティの違い
顧客満足度と混同されがちな概念として、「顧客ロイヤルティ」が挙げられます。
顧客ロイヤルティとは、顧客が特定のブランドや製品、サービスに対して長期的に抱く好意や愛着のこと。つまり、顧客が継続的に特定のブランドやサービスを選び続ける意向を持つ度合いを示しています。
どちらもビジネスシーンで頻繁に使われる用語ですが、それぞれ以下のように異なる意味合いを持っています。
不動産業は一度の取引金額が大きいため、必然的にユーザー1人当たりの生涯における不動産取引件数は少なくなります。
しかし、ロイヤルティが高まっている顧客は将来的に再び物件を購入、売却、あるいは賃貸する際に同じ不動産会社やエージェントを選ぶ可能性があるため、顧客満足度と並んで、意識していきたい指標なのではないでしょうか。
なぜ、不動産業界では顧客満足度を向上させる必要があるのか?
2030年問題をはじめとした日本の人口減少は、不動産業界でも顧客数の減少という形で影響を及ぼしています。購入を検討する層の減少は、ポータルサイトのアクセスや見学会への参加数の低下を招く可能性があります。
このような状況で大切なのは「エンドユーザー1人あたりの売上の最大化」です。つまり、顧客との関係性を深化させ、その満足度を向上させることで、リフォームの受注や口コミによる紹介などの新たなビジネスチャンスを増やしていくことが求められます。
インターネットやSNSの普及も、顧客が容易に情報を比較・検討できる環境を生んでおり、顧客満足度を一段と高める必要があります。
関連記事:2030年問題とは?不動産業界が直面する課題への対応策を解説(※近日公開予定)
【2023年】満足度の高い不動産会社ランキング
そもそもとして、エンドユーザーはどのような企業に対して「高い満足度」を感じているのでしょうか。
参考までに、株式会社oricon MEが行った2023年の調査では、以下のようなランキングになっているとわかります。
引用:PR Times「満足度の高い『不動産仲介(売却/購入)』ランキング発表|【三井のリハウス】が『売却 土地』『購入 戸建て』『購入 マンション』で3冠獲得(オリコン顧客満足度調査)」
上記のランキングをみると「三井のリハウスが『売却 土地』『購入 戸建て』『購入 マンション』で3冠獲得」「住友林業ホームサービスは『売却 戸建て』『購入 マンション』で2冠」など、大手の名前が多く挙がっているとわかります。
とはいえ、重要なのは「どんな企業がランクインしているか」ではなく、「顧客がどのような点に満足しているか」でしょう。
参考までに、同調査では評価項目として以下のようなものが設けられています。
- 利用のしやすさ
- 担当者の接客力
- 媒介契約の手続き
- 担当者の提案力
- 売却サポート
- 売買契約・決済の手続き
2023年度、この評価基準において三井のリハウスは『売却 土地』『購入 戸建て』『購入 マンション』で総合1位となり、各領域の上記6項目で高い評価を得ていました。
シンプルに捉えれば、この6項目を高められれば、自ずと顧客満足度のアップに繋がるといえるのではないでしょうか。
不動産会社が顧客満足度をアップさせる具体策
不動産会社が顧客満足度をアップさせる方法としては、具体的には以下のものが考えられます。
- カスタマーサポートの強化
- ITツールの導入
- 従業員満足度の向上
次項より、それぞれ個別にみていきましょう。
カスタマーサポートの強化
顧客からの問い合わせや要望に迅速かつ丁寧に対応することは、信頼関係を築くために不可欠です。分業制を導入することで、専門家がそれぞれの領域で質の高いサポートを提供できます。
これにより、顧客のニーズに合わせたサービスを提供し、長期的な関係を築くことが可能です。
実際に、モビルス株式会社が企業に問い合わせをしたり・レビューの書き込みをしたことがある男女1,613人を対象に実施したカスタマーサポートにおけるCX調査によると、「約7割がカスタマーサポートを重視する」と判明。
引用:PR Times「【カスタマーサポートにおけるCX調査2022】不満があっても購入元に伝える人は少なく、『満足したとき』よりも 『不満を感じたとき』の方が拡散力は上がる」
上記は業界を絞った調査データではありませんが、不動産業界においても、エンドユーザーは同等程度のニーズを抱えていると考えられるのではないでしょうか。
カスタマーサポートを充実させるためには、不動産会社でも「分業制」を積極的に取り入れるのが有効です。
以下のように役割を明確に分ければ、各部門がそれぞれに特化したスキルを醸成し、さらに付加価値を向上させられます。
ITツールの導入
業務の効率化を図るITツールの導入は、顧客への迅速な対応やサービスの均一化に役立ちます。システム化された業務は、どの顧客に対しても一貫したサービス提供を実現し、これが顧客の信頼を得る要因となります。
業務効率化を図る上ではデジタルツールの活用が有効であり、不動産業界でも導入意義のあるシステムとしては以下のものが有名です。
上記のようなツールを導入することで、アナログ業務をデジタル化させ、大幅に効率化できるでしょう。
関連記事:不動産業界では何を「業務効率化」できるのか?デジタル活用がもたらす効率性を解説
従業員満足度の向上
従業員が職場に満足していると、そのモチベーションやエンゲージメントが高まります。この高まったモチベーションは、顧客との双方向のコミュニケーションやり取りの質を向上させ、結果的にサービスの質を高めることにも繋がるでしょう。
この考えは「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」そのものです。サービス・プロフィット・チェーンとは1990年代にHarvard Business Reviewにて発表された経営理論で、従業員の満足度が顧客の満足度やロイヤルティを高め、結果として企業の収益向上に繋がるという関連性を示すモデルです。
このモデルの考え方は、企業が従業員の満足度やエンゲージメントに注力することで、長期的な利益の増加を実現できるというもの。不動産業界でも、大いに参考になるフレームワークでしょう。
顧客満足度アップまでの必要ステップ
不動産会社が顧客満足度をアップさせるには、大きく分けると以下の流れを経ることになります。
- Step1:現状分析
- Step2:目標設定
- Step3:改善策の策定
- Step4:実施とフォローアップ
- Step5:フィードバックの収集と再評価
それぞれについて、個別に解説します。
Step1:現状分析
まずは、自社の業界内での立ち位置、強みや弱みを明確にすることが求められます。具体的には、提供しているサービスの質、顧客の満足度、顧客の不満点を詳細に調査します。
アンケートやフィードバックツールを利用して、直接顧客の声を収集し、分析に役立てましょう。
Step2:目標設定
次に、収集されたデータを基に、どの部分の改善が顧客満足度の向上に寄与するかを明確に特定します。
その上で、収集データに基づいて明確な目標やKPIを設定します。これにより、今後の方針や改善の方向性の明確化が可能。
Step3:改善策の策定
このフェーズでは、前段階で特定された不満点や改善が必要なポイントに対する具体的な対策を策定します。
例えば、「スタッフのトレーニング」「新しいITツールの導入」「サービスの具体的な改善」などが代表的でしょう。
Step4:実施とフォローアップ
策定された改善策を実際に運用面で実施します。しかし、単に実施するだけではなく、その効果を定期的にチェックし、必要に応じて改善策を微調整するプロセスも必要。これにより、継続的な改善と顧客満足度の向上に繋げられます。
Step5:フィードバックの収集と再評価
改善策の実施後も、顧客からのフィードバックの収集を継続しましょう。フィードバックに基づいてサービスを再評価し、必要に応じてさらなる改善策を策定することも大切。
この「計画→実行→検証→改善」のPDCAサイクルを継続的に行うことで、自社サービスが常に最適化され続け、顧客満足度は最大化されていけるのです。
顧客満足度アップに繋がる!不動産テックサービス3選
ここからは、顧客満足度アップに繋がり得る、不動産テックサービスを3選紹介します。
- HOUR’S|不動産取引の決済を非対面化
- RooV|物件イメージを高い精度で共有
- レリーズ電子契約|不動産売買取引をスムーズ化
以下より、個別にみていきましょう。
HOUR’S|不動産取引の決済を非対面化
引用:H'OURS
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンが提供する「H'OURS」は仲介事業者に代わって取引の進捗状況を管理し、期日よりも前に非対面の決済手続きを完了させるための不動産テックサービスです。
決済前に送金が完了するため、従来は決済手続きに使っていた時間を、別の業務や付加価値向上のために使えるようになります。非対面決済の簡便さも合わさり、エンドユーザーの顧客満足度がさらにアップするでしょう。
RooV|物件イメージを高い精度で共有
引用:RooV
株式会社スタイルポートの「RooV」は、レーザーで建物室内の座標を測量して、そこに室内で撮った写真を合成することで、Web上で室内を歩き回ることができるサービスです。
未竣工の建物や、アクセスが不便な立地にある建物を、バーチャル空間上に再現。「いつでも・どこでも・誰とでも」をキャッチフレーズに、竣工前の物件をエンドユーザーと高い精度で共有できますので、大幅な満足度向上に繋がると考えられます。
レリーズプラットフォーム|不動産売買取引をスムーズ化
当社が提供する「レリーズプラットフォーム」は、不動産売買に特化した電子契約システムを利用できます。従来の電子契約システムで可能な機能を全て網羅しつつ、より不動産売買における使いやすさを重視したシステム設計が特徴。
すでに多くの不動産会社さまに導入いただいており、「印紙代の削減」「遠方にいながらの契約締結」など、エンドユーザーさまに対しても高い満足度を提供しています。
関連記事:「東京⇆岡山」の遠方契約を“現地にいながら”実現。ワークフローが大幅に改善
まとめ
人口減少が顕著になり、見込み客数の減少や労働力不足が拡大していく日本において、顧客満足度の向上を図っていくことは2020年代以降の不動産業界にとって重要な取り組みです。
少ないマンパワーで新たな取り組みを推進するためには、各種デジタルテクノロジーの活用も必須。ツールを活用「業務効率化→付加価値の向上」を実現することで、より顧客満足度を向上させ、売上の最大化を図れるでしょう。
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