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不動産営業における物件提案のコツとは?成約率アップのポイントを解説
こんにちは。「レリーズ」編集部です。
オリコン株式会社が公開している不動産会社の顧客満足度調査ランキングでは、「担当者の提案力」が6つの評価指標に含められています。
このことからも「どのように物件を提案するか?」は、不動産ビジネスにおける重要命題であるといえるでしょう。
今回は、そんな物件提案の質を向上させ、成約率アップに繋げるためのポイントを解説します。自社の収益拡大をさらに図っていきたいとお考えの方は、ぜひお役立てください。
物件提案の質の向上が求められる理由とは
多くの場合、エンドユーザーは最初の問い合わせ物件で即座に決定することはありません。一般的な購入・賃貸希望者にとって、初回問い合わせは市場を理解しようとする情報収集の段階にあります。
エンドユーザーはさまざまな物件を検討して自身の予算やニーズ、市場の状況を把握し、比較検討するのが通例です。
実際に、不動産情報サイト事業者連絡協議が公開している「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果をみると、物件を契約した人が検討時に問合せた不動産会社数は平均3社だったことから、初回の問い合わせで契約に至ることは稀であるとわかります。
引用:不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「『不動産情報サイト利用者意識アンケート』調査結果」
顧客が最初の問い合わせ物件で即決しないという事実を踏まえると、不動産会社としては自社の提案物件を成約してもらうためには、物件提案の質を向上させる必要があるといえるでしょう。
質の高い物件提案は、エンドユーザーとの信頼関係を構築する上でも重要です。エンドユーザーに物件提案の内容に満足して貰えれば、自社への信頼感も高まり、将来的な取引へとつながる可能性が高まるためです。
物件提案の手順
物件提案における成約率アップの方法について考える前に、まずは物件提案の手順について目線合わせを行いましょう。一般的に、物件提案の手順は以下のように大別できます。
- 手順①:物件情報の収集・選定
- 手順②:資料の準備
- 手順③:物件の提案
- 手順④:物件案内
- 手順⑤:案内後のクロージング
次項より、個別に解説します。
手順①:物件情報の収集・選定
この段階では、不動産会社はユーザーの要望に合う物件を見つけるために、物件に関する希望や要望、予算、エリアの好みなどの情報を詳しくヒアリングした上で、さまざまな情報源を活用します。
例えば、以下のようなもの。
- 自社の物件データベース
- レインズ
- オンラインの物件リスト
- 地域の開発計画
- 他の不動産業者とのネットワーク
ユーザーの要望に合わせて、レインズや自社の物件データベースから適切な物件を検索・選定するためには、最新の物件情報の更新や市場の動向も注視することが必要です。
選定した物件の現状や詳細な情報を確認。必要であれば、直接物件を訪問し、写真や動画を撮影することも考えられます。適切な物件が見つかったら、それらの物件の詳細情報を集め、ユーザーの要件とのマッチングを行い、最も適切な物件を選定しましょう。
手順②:資料の準備
物件を選定した後、不動産会社は物件の特徴を強調する資料を準備します。例えば、ユーザーに提示するための提案資料を作成するためには、「物件の詳細情報」「写真」「間取り図」「周辺環境」などの情報を含め、分かりやすく整理することが重要。
資料は、ユーザーが物件の全体像を理解し、関心を持つように設計されています。市場データや予想される価値の増加などの情報を提供して、物件の魅力を伝えることもあります。
ただし、不動産業界では「紙の資料の活用」「帯替え」をはじめとするアナログ文化が根付いていますので、非常に労力がかかる業務であることは事実です。
手順③:物件の提案
資料の準備ができたら、不動産会社はユーザーに対して物件を提案します。近年は直接会って行うよりも、電話やメール、LINEで行うケースもあるでしょう。
提案の際には、物件の特徴やメリット、そしてユーザーのニーズとの適合性について詳細に説明し、ユーザーからの疑問や懸念にも答えましょう。
手順④:物件案内
次は、ユーザーが興味を示した物件に対して、実際の見学を手配するフェーズです。
不動産会社は案内のアポイントメントを設定し、物件の特徴を実際に見せながら説明します。このプロセスは物件の状態や周辺環境について、現地で直接触れ合うことで、ユーザーの購入意欲を高めることが目的です。
手順⑤:案内後のクロージング
物件案内の後、不動産会社はユーザーのフィードバックを受け取り、必要に応じて追加の情報を提供する。あるいは他の物件を提案する段階に移行します。
ユーザーが購入または賃貸を決定した場合は、価格交渉や契約書の作成などのクロージングに入ります。この段階では、ユーザーが安心して取引を進められるよう、法的な手続きや金融面でのアドバイスも提供することも重要です。
物件提案で成約率アップに繋げるコツ
物件提案で成約率アップに繋げるポイントとしては、次のような取り組みが考えられます。
- 物件データの適切な収集・管理
- 地域情報の提供
- 物件情報の比較のしやすさ
- カスタマーサポートの徹底
以下より、個別にみていきましょう。
物件データの適切な収集・管理
不動産会社が成約率を高めるためには、物件データを正確かつ効率的に収集し、管理することが不可欠です。
その上では、最新の情報を維持し、ユーザーが要求する詳細に迅速にアクセスできるようにすることが大切。一般的には、レインズで多くの情報物件情報を引っ張ることになるでしょう。
顧客にオンラインで案内した際に、ニーズのログを把握する。あるいは、ユーザーの要望、予算、物件に対する優先順位やライフスタイルなどを詳細にヒアリングすることで、ピッタリの物件を提案しやすくなります。
地域情報の提供
物件自体の情報だけでなく、近隣の施設や交通機関、学区などの地域情報も詳細に提供することで、ユーザーの生活シーンを具体的にイメージさせることが大切です。
地域情報は、特に住宅市場において、購入者の決定に大きな影響を与えます。以下のような情報提供が有効。
- 近隣施設の情報:学校、病院、ショッピング施設、公共交通機関のアクセスなど、生活に必要な施設情報。
- 安全性:犯罪率の統計や、地域コミュニティーの安全性に関する情報。
- 将来的な開発計画:地域の将来的な開発計画や予定されているインフラの改善に関する情報。
こういった地域情報を提供することで、顧客がその地域での生活を想像しやすくし、物件への興味を高めることに繋がるでしょう。
物件情報の比較のしやすさ
物件提案で成約率をアップさせるためには、エンドユーザー視点での比較のしやすさが非常に重要です。物件を探している一般のユーザー視点でみれば「自分のニーズや予算に最も合った選択肢を見つけたい」と考えることは当然といえます。
価格やロケーション、間取り、設備の詳細などを明確に提供することで、エンドユーザーは自分のニーズに合った物件を判断しやすくなります。
もちろん、それにより内見や営業の手間は増えるものの、カスタマーファーストの視点に立って丁寧な情報提供を行うことこそ、長期目線では大切なのではないでしょうか。
カスタマーサポートの徹底
物件提案後のフォローアップを怠らず、ユーザーの疑問や懸念をタイムリーに解消することも重要です。
例えば、物件の価格交渉やローンの手配など、購入プロセスにおける専門的なアドバイスやサポートを提供することで、ユーザーの信頼を得られるでしょう。
物件提案の効率化に繋がるシステム・サービス
物件提案は、デジタルツールやシステムを利用することで、さらに効率化できます。例えば、以下のようなもの。
- MAツール
- チャットボット
- VR/AR技術
- GIS (Geographic Information System)
- レリーズ物件提案
それぞれ個別に解説します。
MAツール
MA(マーケティング・オートメーション)ツールは、リード(見込み客)の獲得から育成、成約までのマーケティング活動を自動化し、効率化するためのシステムです。
電子メールマーケティング、ソーシャルメディアの管理、リードのスコアリング、キャンペーンの管理など多岐にわたる機能を利用可能です。具体例として、米HubSpotが提供する「HubSpot」についてみてみましょう。
引用:HubSpot
HubSpotは、潜在顧客の行動を追跡し、顧客の関心に基づいてパーソナライズされたマーケティング活動を自動化できます。
不動産業界でHubSpotを使用すると、顧客がウェブサイトで興味を示した物件に関する詳細情報を自動的にメールで送信するなど、効率的に追客活動を行えます。顧客ごとにカスタマイズされたメッセージを自動で送ることもできますので、各顧客との関係構築がスムーズに進むでしょう。
チャットボット
チャットボットは、ウェブサイトやメッセージングプラットフォーム上で顧客の問い合わせに自動で応答するAIツールです。シンプルなFAQ応答から、複雑な対話を通じてリードを生成するものまで、さまざまなタイプがあります。
チャットボットは常にオンラインで、顧客からの問い合わせに即座に対応可能。初期の顧客対話を通じて質問に答えることで、関心のある顧客をリードとして登録できます。
よくある問い合わせに対応することで、カスタマーサービスチームの負担を軽減し、より専門的な問い合わせに集中できるでしょう。
チャットボットの具体例として米Zendeskのツール「Zendesk」が挙げられます。
引用:Zendesk
Zendeskは顧客サービスとエンゲージメントを強化するためのプラットフォームで、そのなかにはチャットボット機能も含まれています。
不動産会社がZendeskのチャットボットを利用する場合、Webサイト訪問者は、リアルタイムで質問でき、迅速な回答や関連情報の提供を受けることが可能になります。
例えば、顧客が特定の物件について質問した場合、チャットボットは自動的にその物件に関する基本情報や利用可能な内覧日時、追加の資料リクエストなどを受け取ってくれます。
VR/AR技術
VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張リアリティ)技術は、実際に物件を訪れることなく、3Dの仮想空間を通じて物件を体験できるデジタルツールです。
顧客が物件を訪問することなく、どこからでも物件を体験できます。VR/ARを使って、未完成の物件や改装後の様子をリアルに描くことができ、物理的な移動が不要になるため、時間とコストを節約可能です。
代表例として、株式会社スペースリーが提供する空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」についてみてみましょう。
引用:スペースリー
同サービスは360度VRコンテンツを、専門的な知識がなくても簡単に制作・編集できるクラウドソフトウェアです。撮影したパノラマ写真や3DCGデータをクラウドにアップロードするだけで、高品質のVRコンテンツを自動生成してくれるため、質の高い物件提案ができるでしょう。。
GIS (Geographic Information System)
GISは地理的情報を収集、管理、分析、表示するためのシステムで、不動産の場所や特性を理解するのに役立ちます。
GISを使うと、物件の地理的な位置とその周辺環境を詳細に分析可能。物件の市場価値や、特定の地域の不動産トレンドを視覚的に示せるだけでなく、顧客の要望に基づいた物件の選定が地図上で直感的に行え、提案の精度を高められます。
GISの技術を活用したサービスには、ESRIジャパンの「ArcGIS」が存在します。
引用:ArcGIS
ArcGISは、物件の位置情報や周辺環境、地域の統計情報などを分析し、地図上で視覚的に情報を提供可能。
不動産会社がArcGISを使用すると、「顧客に対して物件の位置がどのような地域特性を持っているのか」を具体的に提案できます。これにより、顧客が物件の立地をより深く理解し、購入決定に役立てられるでしょう。
レリーズ物件提案
レリーズ物件提案は、本ブログを運営する当社(GOGEN株式会社)が提供する不動産売買・仲介に特化したシステムです。
物件検索から提案、追客管理までの成約プロセスをサポートすることで、営業担当者の時間・労力を削減し、成約率の向上に貢献するのが特徴。
顧客のマイページ閲覧ログにより、「関心が高いタイミングでの効果的なフォローアップ」も可能ですので、顧客管理業務の効率化にも繋がります。
まとめ
人口減少により、労働力不足や競争激化が見込まれる今後を踏まえると、物件提案の確度をアップさせる取り組みは重要度が高いといえます。
ただし、忘れてはならないのは「あくまでユーザーファースト」の意識です。ユーザーニーズを適切に把握し、求められている物件について精度の高い仮説を立てることで、良質な物件提案に繋げられるでしょう。
当社は不動産売買特化型のDXXプラットフォーム「レリーズプラットフォーム」を提供しています。
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