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不動産物件調査の重要性を詳しく解説! 効率的なやり方、負担軽減のポイントとは
こんにちは。「レリーズ」編集部です。
2023年現在は不動産業界でも「若手不足」「労働力不足」が浮き彫りになりつつあり、さまざまな業務領域での効率化が求められています。そのなかでも、自社の「負担削減」「売上アップ」を同時に叶え得る業務としては、物件調査が挙げられるでしょう。
物件調査は、賃貸・売買における成約率を上げるためには重要な業務ですが、調査にかかる負担が大きいのも事実です。本稿では、不動産業界が物件調査において抱える課題感を明確にした上で、効率化を果たす方法について論考します。
物件調査はエンドユーザー視点でも重要!
物件調査とは、不動産物件の価値や状態、法的な問題の有無などを詳細に調べる業務を指します。物件調査は、不動産の売買や賃貸を行う際に、物件の正確な情報を把握し、適正な価格設定やリスク管理を行うために不可欠な業務です。
不動産会社視点で見た場合も、物件調査は物件の価値を判断し、売買や賃貸の適正価格を設定するために重要な業務といえるでしょう。
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が行った「不動産情報サイト利用者意識アンケート」を参照すると不動産会社に求めるものは、全体で「正確な物件情報の提供」がトップとなり、特に重要なものでも全体1位になっています。
引用:不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「『不動産情報サイト利用者意識アンケート』調査結果」
これは、不動産会社における物件調査の重要性を示唆しているのではないでしょうか。
他にも、特に重要なものとともに増加傾向が見られるのは、賃貸では「購入後、入居後のアフターフォロー」、売買では「親切・丁寧な対応」の割合が不動産会社に求めるものとなっています。
エンドユーザー全体をみると、何より「安心したい」というニーズがみえてくるでしょう。
物件調査の流れ
物件調査の課題感について論考するため、まずは物件の流れについて整理します。一般的には、以下の流れに大別されるでしょう。
- Step1.物件概要の聞き取り
- Step2.現地調査
- Step3.法務局調査
- Step4.役所調査
- Step5.インフラ施設の調査
- Step6.市場・取引事例調査
それぞれの概要について、個別に解説します。
Step1.物件概要の聞き取り
まずは、物件のオーナーから物件の基本情報を聞き取ります。例えば、物件の種類、広さ、築年数、改修履歴、現在の使用状況など。この情報は、初期の価値判断と調査計画の立案に役立ちます。
Step2.現地調査
次に、実際に物件を訪れ、建物の状態、周辺環境、アクセスの良さなどを確認します。内装や設備の損傷、改修の必要性、景観など、写真やメモを取りながら具体的な情報を収集しましょう。
Step3.法務局調査
現地調査が完了したら、法務局で物件の登記簿謄本を取得し、所有権や抵当権などの法的な状況を確認します。この段階で、物件に関連する権利関係や制限事項が明らかになります。
Step4.役所調査
市町村役場などの行政機関を訪れ、用途地域や建築基準法に基づく制限、地域の計画などについて調査するのが一般的です。この際、公的な開発計画が予定されていないかなどもチェックする必要があります。
Step5.インフラ施設の調査
次に、物件が利用している水道、電気、ガスなどのインフラの状態と供給安定性を調べます。
例えば、近隣のインフラ施設の状態に加え、将来の開発計画についての情報収集も含まれることがあります。
Step6.市場・取引事例調査
最後に、同じエリア内や類似の物件の売買・賃貸の取引事例を収集し、物件の市場価値を評価します。
具体的には、物件の価格帯、需要の傾向、競合物件の状況など、広範な市場分析が含まれます。以上を漏れなく調査できれば、物件調査は完了です。
不動産業界の物件調査における課題
以上を踏まえた上で、不動産業界における物件調査には次のような課題があると考えられます。
- 時間とコスト
- 情報の更新
- 専門知識を持った人材育成
- 遠方物件の調査
次項より、個別にみていきましょう。
時間とコスト
物件調査は、多くの場合、手間と時間がかかる業務です。現地に足を運び、詳細な調査を行う必要があるため、特に大きな物件や多数の物件を扱う場合、膨大な時間が必要になります。
加えて、専門家や調査員を雇うコスト、法的書類の取得費用、移動費用などもかさむでしょう。そのため、時間効率とコスト削減は不動産会社にとって常に重要な課題です。
情報の更新
不動産市場は常に変動しており、新しい法律や規制、市場の動向によって物件の価値が変わるケースがあります。
したがって、一度収集した情報がすぐに古くなることがあるため、定期的な更新と継続的な市場調査が求められるのです。特に、長期間にわたって保有される投資物件において顕著といえます。
専門知識を持った人材育成
物件調査は、法的知識、建築知識、市場分析など、多岐にわたる専門知識が必要です。経験豊かな専門家や有資格者が自社に少ない。あるいは外部との繋がりが不足している場合、正確で信頼性の高い物件調査を行うことが難しくなるでしょう。
したがって、社内での研修や資格取得支援などによる人材育成が重要な課題になるのです。
関連記事:不動産会社でDX人材は育成すべき?必要な理由や育成方法を紹介
遠方物件の調査
遠方にある物件の調査は、特に時間とコストの点で課題が大きくなります。物理的な距離とそれに伴う費用はもちろんのこと、地域によって異なる法律や建築基準などに対する知識が求められます。
現地の市場状況を正確に把握するためには、地元の専門家との連携が不可欠であり、その調整もまた課題といえるでしょう。
将来的に物件調査の課題を解決し、効率化に繋げるためのイノベーション
今後、こういった物件調査にかかる課題を解決していく上では、不動産テックをはじめとする「不動産業界の課題を解決するために開発・導入されている技術やシステムを活用する」選択肢があります。
こういったソリューションを活用すれば、物件調査の各段階で時間とコストを削減し、情報の正確性を高め、遠方物件のアクセシビリティを向上させられます。
例えば、時間とコストに関する課題は、自動化とデジタル化によって効率化が可能。情報の更新に関しては、ビッグデータとリアルタイム分析が最新の情報を取得できます。
このように物件調査を効率化できるソリューションの代表例は、以下のものが考えられるでしょう。
こういった最新テクノロジーの導入・活用は、一朝一夕で成果が実現できるものではありません。しかし、2030年問題に代表されるように将来的な労働力の現象がみえていることを踏まえると、将来に向けた”布石”として新たな取り組みが求められるのではないでしょうか。
関連記事:不動産テックとは?活用するメリットや代表的なサービスについて徹底解説!
物件調査を効率化するメリット
このようなツール・システムの導入による物件調査業務の効率化は、確かに費用や時間がかかるものです。しかし、それを勘案してもなお、以下のような恩恵を受けられるのも事実。
- 早期の取引実現
- 作業コストの削減
- 顧客満足度の向上
- 競争力の強化
それぞれ詳しく解説しますので、自社における取り組みの現状と照らし合わせて、参考にしてください。
早期の取引実現
効率化された物件調査は、取引までのリードタイムを大幅に短縮可能です。デジタルツールや自動化によって、物件情報の収集、分析、報告が速くなるでしょう。
これにより、顧客は迅速に意思決定を行え、不動産会社は早期に取引を成立させられます。特に投資家にとっては、市場の変動に迅速に対応できるため、利益の最大化に繋がるのです。
作業コストの削減
デジタル化と自動化により、体系的かつスピーディに調査を行う手法を導入することで、物件調査にかかる作業時間が削減されます。VR技術やドローン調査などを利用すれば、遠方の物件調査における出張費用や人件費を減らせるでしょう。
さらに、ビッグデータの分析は市場調査の時間を短縮し、より多くの物件調査を同時に進めることが可能になるため、コストパフォーマンスも向上します。
顧客満足度の向上
迅速かつ正確な情報提供は顧客満足度を高める上で、重要な要素です。オンラインプラットフォームを通じた透明な情報共有や、リアルタイムでの市場データの提供は顧客の信頼獲得に繋がるでしょう。
顧客のニーズに合わせたカスタマイズされた提案が可能になることで、よりパーソナライズされたサービスを提供できるようにもなります。
競争力の強化
効率化された物件調査プロセスは、不動産会社が市場において優位に立つための基盤を固められます。ビッグデータを駆使した市場の深い理解や、新しいテクノロジーを活用した独自のサービスの提供により、他社との差別化が図れます。
物件調査を効率化するのがスタンダード
とはいえ、多忙を極める不動産業務をこなしつつ、自社で効率化を実現するには限界があるでしょう。そのため、物件調査を「外部専門家に任せる」案も検討できます。
物件調査サービスは、不動産物件の評価、査定、及びその他の関連情報を提供するサービスです。具体的には法的、物理的、経済的な側面が含まれ、物件の価値を正確に把握し、売買や賃貸の決定を支援するための重要な情報を集める必要があります。
不動産会社が物件調査サービスを外注する場合、通常は以下のような業務を委託可能。
- 評価サービス:専門の評価士が物件の価値を算定する(例:市場分析、比較可能な物件との比較、そして収益性分析など)。
- 建物診断:専門の建築士や技術者が建物の状態をチェックし、必要な修繕や改修のアドバイスを行う。
- 環境調査:環境コンサルタントが土壌汚染や建築物の環境影響を評価する。
- 法的調査:法律事務所や専門家が物件の法的状況を調べ、所有権、権利関係、抵当権の有無などをチェックする。
- 市場調査:マーケットリサーチャーが物件の市場価値を評価するために、現在の不動産市場の動向を分析する。
- 賃料査定:専門家が市場データを基にして、適正な賃料を設定する。
外注する主な意義は、不動産会社が直面している時間とコストの制約を克服し、高度な専門知識を必要とする調査を効率良く行えること。外部の専門家による客観的な評価は、トランザクションの透明性を高め、取引の信頼性を向上させられるでしょう。
それ以外にも、物件提案に特化した不動産テックサービスを活用するという選択肢もあります。
例えば、当社(GOGEN株式会社)が提供する物件調査 for レリーズは、不動産の物件調査を代行するサービスで、物件調査に関連する多くの課題を解決することを目的としています。
物件調査 for レリーズでは、不動産売買に特化した調査員が、士業や他社から高う評価を受けられるだけの丁寧な調査レポートを提供。役所調査や現場調査に加え、様々なトラブルを想定した重要事項説明書まで作成するサービスです。
まとめ
物件調査は多忙を極める不動産業務のなかでも、とりわけ労力がかかる部類に入る業務です。しかし、エンドユーザーの満足度を向上させ、売上拡大に繋げるためには、決してないがしろに出来ないのもまた事実。
自社に定着するまでの負担は大きいものの、デジタルソリューションの導入や物件調査サービスの活用により、効率化を図っていく意義は大きいといえるでしょう。
当社は不動産売買特化型のDXXプラットフォーム「レリーズプラットフォーム」を提供しています。
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