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コラム2023/08/04
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不動産売買取引では「顧客体験のDX」をどう実現するべきか?

不動産売買取引では「顧客体験のDX」をどう実現するべきか?

こんにちは。「レリーズ」編集部です。

不動産関連業務に従事している方は、営業・管理部門といった所属部門に関わらず、日々顧客満足度のアップを図り「より良い顧客体験を提供しよう」と考えているのではないでしょうか。

近年は、業界内で「不動産DX」への取り組みも活発化しつつあります。確かに、デジタルソリューションを活用した事業展開を行えば、従来にはなかった方法でより良い顧客体験価値を創出できるでしょう。

今回の記事では、「不動産会社が顧客体験の領域で、どうDXを実現していくのか」について、実際に不動産テック系サービス「レリーズプラットフォーム」を提供している当社の見解を交えて解説します。


そもそも「DXの達成」とは何か?

「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の定義ついて整理しておくと、経産省の「DX白書2023」では「データ技術による新価値創出を実現するために経営や事業革新していくこと」と述べられています。


引用:経済産業省「DX白書2023

上図では「既存企業がDXを果たすことによってデジタル企業になる」と定義されていますが、不動産会社にとっても同様の目標設定が成り立つでしょう。

新たな価値を創出し、顧客の体験を変えたうえで「ビジネスの変革」をしていかないというのは、到達点としては高い目標かもしれません。しかし、実際に多くの企業がそれを目指して取り組みはじめているという現実もあります。

では、「DXの達成」とはどんな状態を指すのでしょうか。

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「DX実践手引書 ITシステム構築編」をみると、デジタルシフトの取り組みは業務レベルの変革である「デジタル・オプティマイゼーション」と、事業単位での変革である「デジタルトランスフォーメーション」に分けられているのがわかります。

参考:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「DX実践手引書 ITシステム構築編」を基に、GOGEN株式会社作成。

不動産DXの文脈で語られる際”デジタル・オプティマイゼーションのみ”について述べられているケースが多々あります。

しかし、前述した「顧客視点で新たな価値を作っていく」ためには事業単位や市場の“立ち位置レベルの変革”であるということがわかるでしょう。

つまり、「単なる顧客体験の変革」で終わらないようにしつつ、それ以上の規模感でものごとを変えていかなければならないのです。

不動産市場でも各社がより規模感の大きな変革を目指していけば、より市場の盛り上がりにつながることでしょう。

関連記事:不動産業界でDXは実現できるのか?取り組みのメリットと課題についての論考

大手不動産会社のDXに向けた取り組み

すでに、不動産事業においても「顧客体験のDX」に取り組んでいる企業は存在します。

例えば、三井不動産株式会社が公開している「DX白書2022」では、まさに顧客ニーズを起点にして「デジタル × リアル」の融合を目指す取り組みを行っていることがわかります。


引用:三井不動産株式会社「DX白書2022

三井不動産のように「価値観や競争力を0から変えていく」レベルの取り組みは難しいかもしれませんが、大いに学ぶべき点があるでしょう。

さらに、東急不動産も、顧客体験のDXに取り組んでいる企業です。

同社の「DXレポート2022」を見ると、収益増加のためにビジネスプロセスや顧客体験を変え、イノベーションを創出するために長期的な計画をしていることがわかります。

引用:東急不動産「2022 DXレポート

東急不動産も、前述のとおり「顧客体験の変革のみ」では終わらず、その先にある価値観を変えていくことがイノベーションの創出につなげようとしているのだとわかります。


売買取引で顧客体験DXを実現させる不動産テック「業務支援契約決済」カテゴリー 

DXを実現させるためにはデジタルツールの活用が欠かせません。現状、不動産テックのカオスマップは毎年更新をされており、430サービスほど存在します。

そのなかで、顧客体験のDXに大きく貢献する領域の1つとして「業務支援契約決済」カテゴリーが挙げられます。

当社(GOGEN株式会社)も「レリーズプラットフォーム」「レリーズ本人確認」「レリーズ物件提案」などを提供しており、これらは「業務支援契約決済」カテゴリーに属しています。

出所:一般社団法人不動産テック協会「不動産テックカオスマップ」を基に、GOGEN株式会社作成。

「業務支援契約決済」カテゴリーはまさに「顧客接点」「バックエンド業務」に関わるという違いがあります。

いずれも「顧客の体験価値」の上昇に寄与するという面では共通しており、顧客の一番濃厚なデータが揃うツールであると定義可能。

例えば「本人確認での個人情報の取得」「電子契約を使った物件取得データ(例:最終的な購入価格や条件など)の入手」「住宅ローンやリフォームなどの決定会社の把握」といった顧客に関する“最も有益なデータ群”の蓄積ができるようになりますので、大手を中心に興味関心が高まっている領域でもあります。

現場における紙媒体でのルーチン的な業務も少なくない不動産会社の方にとっても、自動化や効率化がしやすい領域であり、クリティカルに自分の業務に影響を与えるサービス群であります。

こういったツールを有効活用で、自社の顧客に提供する体験価値を、変革ともいえるレベルでブラッシュアップしていけます。

関連記事:不動産テックとは?活用するメリットや代表的なサービスについて徹底解説!


売買取引における「顧客体験のDX」を実現するためのステップ

売買取引で顧客体験のDXを実現するためには、3つのフェーズを踏む必要があります。

  • Step1.多様化する顧客ニーズを理解する
  • Step2.「顧客ロイヤルティ × 顧客満足度の違い」を踏まえる
  • Step3.顧客のリピーター化を目指す


以下より、個別にみていきましょう。

Step1.多様化する顧客ニーズを理解する

近年は顧客ニーズが多様化しており、Z世代をはじめとする「デジタル世代」がアプローチ対象の中心になりつつあります。

こういった世代交代が起こるなかで、「持ち家 vs 賃貸」をはじめとする価値観も変化。デジタルネイティブとの向き合い方も定義していかなければならなくなっています。


さらにいえば、コロナ禍もあり、顧客のデジタル対応に対するニーズは、世代を問わず起こっているのです。

不動産業界では住友不動産がDMを全撤廃して年間60億円を削減し、ネット広告に移行したことが話題になりましたが、エンドユーザーのニーズなどは特に大きく変容してきているでしょう。

売買取引でも、少子高齢化が進んでいくなかで流通案件の足元売上は伸びているものの、徐々に減っていくのではないかといわれています。

さらには、販売経費についても投資対効果がますます厳しくなってきている状況下で、改めて顧客ニーズを理解し、顧客起点の事業展開を定義していく必要があるのではないでしょうか。

関連記事:不動産会社は変化する顧客ニーズをどう捉えるべき?信頼感・提案力アップの方法

Step2.「顧客ロイヤルティ × 顧客満足度の違い」を踏まえる

ニーズが多様化している現代においては、それを理解しつつ、不動産取引を経験したエンドユーザーの「顧客ロイヤルティが向上しているかどうか」が重要です。

顧客ロイヤルティとは、ユーザー特定の企業やブランドに愛着や信頼、親しみを感じること。


単なる顧客体験の変革に終わらせず、イノベーションの創出にまで繋げていくためには、ユーザーニーズのトレンドを理解しながら、ユーザー側の固定概念まで変えていかなければならないのです。

顧客ロイヤルティは「顧客満足度」と混同されるケースもあるが、それぞれ以下のように大きく違いがあります。


もちろん、顧客満足度を追いかけることは決して間違いではありません。しかし、自社取引における顧客体験のDXを図る上では、顧客ロイヤルティの高まりを目指していくべきでしょう。

具体的には「営業担当による親身な対応」「わかりやすく、スピーディな契約手続き」などが挙げられます。

Step3.顧客のリピーター化を目指す

Step2までを突き詰めると、市場環境が変化するなかで顧客のロイヤルティを上昇させ「LTV(ライフ・タイム・バリュー)」をどう高めていくのかが重要といえます。

LTVとは「顧客生涯価値」のこと。マーケティングの文脈ではマーケティングでは、企業にとってある一人の顧客が将来の関係全体に寄与する価値と定義できます。

LTVを上昇させるための方法として「顧客のリピーター化」が挙げられます。例えば、ある売買取引が終了したとして「スムーズに終わってよかった」と締めるのではなく、その後も関わりを持ち、特定の顧客にリピーター化してもらう、という選択肢もあるのではないでしょうか。


顧客がリピーターになってくれれば、最終的なLTVが向上するだけでなく「不動産取引に対する社会的な価値観」自体が変わり、新規顧客の増加にも繋がっていきます。

そもそも、不動産業界は、「市場内の変革(例:流通案件の減少、物件高騰など)」「少子高齢化による人口減少」「顧客獲得チャネルの多様化によるコスト」により、従来の反響ビジネスを中心としたビジネスモデルの限界に達しつつあります。

そのため、一度顧客した獲得と、末長く付き合っていくことに繋がるロイヤルティの向上が不可欠なのです。

「目の前の顧客体験」と向き合うことがDX達成への近道

一方で「社会全体の価値観を変えていこう」とするよりも、まずは「目の前の顧客体験」を大切にすることも忘れてはなりません。

やはり多くのユーザーにとっては、まだまだ不動産取引は「一生に一度の買い物」です。

こういった根本の部分が変わらなければ、いかにロイヤルティが高まったとしても、リピーター化は望めないでしょう。

逆にいうと、「不動産取引をショッピング感覚で楽しめる」ほどの体験価値を届けられれば、社会変革レベルの意識変容が起こると予想できます。


これは飛躍した理論のようにも聞こえるかもしれませんが、エンドユーザーの生涯における不動産売買件数も多いアメリカの不動産市場などもみてみると、決して不可能なことではありません。

不動産会社としてこれまで果たしてきた使命に加えて、「不動産取引の体験そのもの」「不動産サービスの享受」に価値を見出せるよう、業界をあげて取り組んでいくべきだといえるでしょう。

その結果として「新しい不動産取引の価値」が生まれ、エンドユーザーに「またこの会社で買いたい・売りたい」と感じてもらうことで、各社の収益競争力が形成されていくのです。

そのためには、「取引後もコミュニケーションをしっかりとって関係性を維持する」「エンドユーザーのロイヤルティの向上を確認する施策を行う(例:顧客アンケートやデプスインタビューなど)」といった施策も求められます。

大手の不動産会社には、すでにこういった取り組みをはじめている企業も存在します。

例えば、日鉄興和不動はマンションをオンライン販売しています。これはまさにエンドユーザーの価値観の変化を捉え、「新たな販売のマンション販売のあり方」を模索した結果生まれた事業展開だといえます。

引用:sumune for LIVIO

このように、イノベーションの創出に向けた第一歩としては、まずは顧客ニーズと向き合うこと。その上で、テクノロジーの力も活用して、目の前の体験価値を1つずつ向上させていくというステップが求められることでしょう。


まとめ

不動産DXは、確かにアナログな商習慣が根付く不動産業界を変革し、大幅な業務効率化や生産性の向上をもたらします。

ただし、それは「結果的に効率化が果たされる」ものであって、常に「まずは顧客体験価値を向上させること」が先行している必要があります。

当社は不動産売買特化型のDXXプラットフォーム「レリーズ・シリーズ」を提供しています。

レリーズは不動産取引実務の効率化やコストカットが可能なサービス群です。DX推進による顧客体験価値や満足度の向上を図りたいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

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